2018年のスイス旅行で利用したハーツレンタカー。帰国後、レンタカー車体についた身に覚えのない傷について約15万円の修理代を請求されました。
全く身に覚えはない傷ではあるものの、自分たちがつけた傷ではないと証明できる証拠もなかったため、仕方なく全額を支払いました。
これらの修理代金請求のいきさつと、こういったトラブルを起こさないためにどうするべきだったのかについて考えてみました。
目次
借りたレンタカーについて
今回の旅行では、ハーツレンタカーを日本からネット予約し、スイス・チューリッヒ空港の店舗で8日間レンタルしました。
実際に提供された車は、GMWのミニカントリーマン(日本名:クロスオーバー)でした。日本では結構高級な部類に入る車みたいです。
借りる際にざっと車体の傷チェックをし、特に問題なかったのでそのままレンタルしました。
なお、レンタル時、任意保険として車両損害補償制度(CDW)および盗難保険(TP)に加入していました。
8日間のレンタル中、車をどこかにぶつけたり車体をこすったりといったことは一切ありませんでした。
チューリッヒ空港での返却は夜だったので、係員はおらず、ハーツの駐車場に車を停めてポストに鍵を入れておきました。
ハーツレンタカーからの損害賠償請求
日本に帰国した翌日、ハーツレンタカーから「Your rental at Zurich Airport/ Claim No. ××××××」という英文メールが届いていました。
読んでみると、「あなたのレンタルした車に新しい傷が見つかりました。傷の詳細は調査中です。できるだけ早く損害の書類を送付し、規約に従ってお金を請求します。」といった内容でした。
まったく車に目立つ傷をつけた覚えはなかったので、自分たちも気づかなかった小さな傷だろうとその時は軽く考えていました。
ところが、その10日後に再びハーツから届いた損害賠償の請求書を見て、びっくり!
1283.3CHF・・・日本円に換算すると、およそ15万円です。
このメールが来たのと同じ日に、レンタル時に登録したクレジットカードから146,980円がしっかりと引き落とされていました。
ハーツからメール送られていた損害賠償に関する書類は、PDFファイルで8ページにもわたるものでした。
1ページ目には請求の概要、2ページ目はレンタル時にサインした書類、3~4ページ目には車の写真、5~8ページ目には請求額の詳細(ドイツ語で記載)が書かれていました。
書類に乗っていた写真の一つがこちらです。
この写真をみて、本当にびっくりしました。まさかこんなに目立つ傷がついているとは思わなかったからです。
傷について考察してみた
傷がついていたのは車の前方右側。
このページの最初に載せた、旅行中盤に撮ったレンタカーの写真には、そのような傷は写っていません。少なくともこの時までは傷はなかったことは確かです。
さらに、運転中にこれほど大きな傷がつけたら、絶対に気が付くはずだと思うのですが、まったく身に覚えはありません。
そんなわけで、おそらくこの傷は私たちの知らないところで(駐車中など)ついた傷ではないかと考えました。
一番最初に疑ったのは、レンタカー返却後につけられた傷ではないかということです。
前述のとおりハーツの営業時間外の返却だったため、係員に返却した車をチェックしてもらうこともなく、ただ車を停めて鍵をポストに入れただけで返却が完了しました。
ハーツの駐車場に返却してからつけられた傷だとしたら、私たちの責任ではありません。
ただ、ハーツで返却するときはバタバタしていて、車体に傷がついていたかどうかは確認してませんでした。
もしかしたら、気づかなかっただけでそれ以前からついていたのかもしれません。
それ以前からついていたとすれば、可能性が高いのは、スーパーの駐車場でつけられた傷ではないかと考えました。
傷の形状が、ほかの車にぶつけられたような傷には見えません。何によってできた傷か考えてみたとき、スーパーのカートが思い浮かびました。
旅行中、車で何度も地下駐車場のあるスーパーに立ち寄りました。スーパーの地下駐車場は狭くて、大きなカートを持った人々が頻繁に出入りしています。
車によってつけられた傷というよりも、カートによってこすられた傷と言った方が納得できるような傷の形状です。
損害賠償トラブルを起こさないためにどうするべきか
いろいろと納得できないモヤモヤ感はありましたが、損害賠償金15万円を全額支払いました。身に覚えはないものの、私たちがつけた傷ではないという証拠は何一つなかったからです。
日本のレンタカーではこれまで何十回も利用して一度もトラブルを起こしたことがない私たちですが、海外レンタカーでのトラブルはこれで2度目。
今回このようなトラブルを起こさないためにどうするべきだったのか、そして今後海外でレンタカーを借りる際どうしたらいいのかについて考えてみました。
レンタカーを返却するとき
海外レンタカーの場合、レンタカーを借りるときは自分たちで傷がないかチェックし、傷があれば用紙に記入して申請する必要があります。
これは当然のこととして行っている人も多いでしょうが、今回思ったのは、レンタカーを返却するときにも注意が必要だということです。
まず初めに、なるべく営業時間内に返却し、レンタカー会社の人に傷がないか確認してもらった方がいいと思いました。
今回は営業時間外の返却で、車の状態を誰にも確認されないまま返却が完了しました。これだと、返却後にほかの誰かによってつけられた傷であっても、自分たちの責任にされてしまいます。
どうしても営業時間外の返却をしなければならない場合は、返却時に車体の写真の撮っておくといいのかなと思いました。
写真があれば「返却したとき、確かに傷は付いていなかった」ということを証明できるかもしれないからです。
今回は、レンタカーを返す時に、写真を撮るどころか傷がついているかどうかチェックをすることさえしなかったのは、大きな反省点です。
車両損害補償制度CDWとSuper Cover
今回のレンタカーはCDW(Collision Damage Waiver:車両損害補償制度)に加入していました。これはアメリカなどではLDW(Loss Damage Waiver)と呼ばれているものです(※CDWは盗難補償なし、LDWは盗難補償あり、との違いあり)。
CDWは、レンタルした車両に損害がおよんだ場合に、損害額の負担を免除あるいは減額する制度です。
借りる車両クラスによって免責額が違いますが、今回借りた車両の場合は、損害額は最大CHF3000の支払いで済み、それ以上は免除されるというものでした。
今回の修理代金の請求額はCHF1283.3だったので、CDWに入っていても全額損害額を支払うことになったのです。
今回の損害賠償額CHF1283.3を支払わなくて済むためには、CDWに加えてSuper Coverという保険に入っておく必要があったのです。
Super Coverに入っていれば、車体に傷をつけても一円も支払う必要がありません(レンタル契約の条件に従って使用する場合)。
これまで、国内でも国外でもレンタカーを借りる際は、料金をケチるためにSuper Coverのようなフル保証の保険には入ってきませんでした。
しかし今回のようなトラブルが起きる可能性が高いのなら、今後Super Coverに入ることも検討すべきなのかなと思いました。
ただ、Super Coverは、はっきり言って高いです。
今回もしSuper Coverの保険に入っていたらいくらかかったのか計算してみると、8日間でCHF216、日本円に換算して約2万4000円追加で支払うことになっていました。1日あたり3000円ですね。
レンタカー会社との面倒くさいやりとりを避けたいのなら、高くとも何も考えず初めからSuper Coverに入っておいた方がいいでしょう。
ちなみに、損害賠償請求の書類に関することをハーツの日本語のお客様センターに問い合わせましたが、日本のハーツでは損傷に関することは一切関与していないようで、答えてもらえませんでした。
損害賠償請求に関することを質問したり交渉したりする場合は、英語または現地語で、借りた国のハーツとやりとりする必要があります。
今回このような目にあったから、今後は必ずSuper Coverに加入するかと言われれば、そうとも言えません。ケースバイケースかなと思います。
今後は、CDWの補償額とSuper Coverの保険料を比較して、Super Coverに入るべきかどうかしっかり考えてレンタカーの予約をしたいと思います。